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指揮者が合唱指導する様子を見ていてそう感じた事なのだが、指揮者の曲作りと設計者の現場監理に関して、音楽家または建築家と呼んでも良い方々に共通している点がある気がした。
 
まず、一廉の指揮者(設計者)は、彼が拠って立つべき本質と信じる音楽(建築)上の価値を、体現する表現形式のようなものを持っている。
次に、彼はその形式に守られて、適度に自由な心根のもとで振舞えるようになる。
最後に彼は、のびのびとした感受性を持ちながら、楽譜(設計図)に込められた作曲(設計)の意図を、彼の価値観に基づいて、繊細に読み解きつつ断言を繰り返していく。

その繰り返しが全体をやがて整え、音楽(建築)は一定水準の造形物に少しづつ近づいていく。








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